
師匠の師匠が書いた本。首都大学東京(現東京都立大学)ビジネススクールのマーケティングゼミ(プレゼミ)で輪読した。とても難解で,とにかく読んで議論しても,モヤモヤした。モヤモヤはゼミが終わっても,特に解決するわけでもなく,モヤモヤを持ち続けることになるのだが,それが良かったのかもしれないし,そのための本なのかもしれない(と認知的不協和を解消するためにも,無理やりそのように思うことにする)。
今でもよく理解できない部分が多いけれど,スルメのような本で,時をあけて(モヤモヤさせられたことを忘れて)読むとまたモヤモヤさせられるのだが,少しずつ見方が変わっていたり,新しい気付きがあったりするから面白い。人生に影響を与える1冊とはこのような本のことを言うのだろう。
このような本を書ける筆力も知力も自信もないが,生涯で一度くらいはこのような本の執筆に挑戦してみたいものである。博士課程に進学してみようかなとぼんやりと思うようになったのもこの本をゼミで読んだことが少なからず影響していることは間違いない。
(再構成:2025/6/1)